赤字決算では融資が受けられない?資金調達方法やメリットデメリットを解説!

「赤字決算だと融資は厳しい…」
そんな不安を抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか?
事業を運営していると、どうしても資金繰りが苦しくなることがあります。
特に、決算が赤字になったタイミングで追加の資金調達が必要になった場合、「赤字だから融資を受けられないのでは?」と悩んでしまう方も少なくありません。
しかし、実際には赤字決算であっても融資を受けられる可能性は十分にあります。
今回は、赤字決算でも融資を受けられるのか、また、その方法やポイントについて解説していきます。資金繰りにお悩みの方は、ぜひご参考になさってください!
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赤字決算でも融資を受けられる可能性はある?
「赤字決算=融資不可」と考えてしまいがちですが、実際にはそうとは限りません!
銀行や日本政策金融公庫などの金融機関は、決算書だけを見て融資の可否を判断しているわけではなく、企業の経営状況や将来の見込みなども総合的に考慮しています。
例えば以下のようなケースでは、赤字決算でも融資を受けられる可能性があります。
- 設備投資や広告宣伝費の増加等で赤字の原因が一時的なものである
- 利益は出ていなくても、しっかりと資金繰りが回っており、キャッシュフローが安定している
- 新規事業の立ち上げや大口契約の獲得等で今後の収益改善の見込みがある
赤字決算だからといって即座に融資を諦める必要はなく、むしろ、どのような理由で赤字になったのかを明確にし、金融機関に納得してもらえるような説明を準備することが大切です。
赤字決算でも適切な準備と戦略を持って臨めば、融資を受けるチャンスは十分にある、ということです!
赤字決算でも融資が受けられるケースは?
先程お伝えした以外にも、赤字の背景や状況次第では、金融機関も前向きに融資を検討してくれることがあります。
例えば以下のようなケースでは融資が受けられる可能性があります。
創業赤字の場合
創業したばかりの企業は、事業が軌道に乗るまでにどうしても赤字になりがちです。
特に、開業資金や運転資金が大きくかかる業種では、最初の数年は利益を出しにくいのが一般的です。
金融機関もこうした事情を理解しているため、「創業赤字」は必ずしもマイナス要因にはなりません。
むしろ、事業計画がしっかりしていて、将来的な黒字転換の見込みがある場合は、創業融資を受けやすくなります。
特に、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」などは、創業初期の赤字企業でも利用しやすい融資制度です。
創業赤字の場合は、事業の成長見込みを具体的に説明できるように準備しましょう。
参考:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
一過性の赤字(設備投資、不動産売却、災害など)
事業を成長させるためには、大きな設備投資や新規事業への投資が必要になることがあります。
その費用が一時的に経費として計上されると、赤字決算になってしまうことがありますよね。
また、事業用不動産の売却や、自然災害による被害などが原因で赤字になった場合も、一過性の赤字として判断されることがあります。
金融機関はこのような一時的な赤字の場合は、将来的に収益改善につながると判断すれば、融資を認める可能性が高くなります。
融資の審査時には、赤字の原因とその影響を明確に説明し、今後回復する見込みを示すことが重要です。
明確な改善策がある場合
赤字が続いている場合でも、経営改善計画がしっかりしていて、具体的な対策が取られていれば、金融機関は融資を検討してくれることがあります。
例えば、無駄な経費の見直しや業務効率化等のコスト削減の取り組みを行っていたり、専門家のアドバイスを受けていたりするような場合には、融資の可能性が高められます。
金融機関にとって大切なのは、「この会社が今後しっかりと利益を出して返済できるかどうか」です。明確な改善策とその効果を具体的に示せば、赤字決算でも融資を受けるチャンスは十分にあります。
赤字決算では融資を受けにくいケースとは?
一方で、赤字決算では融資を受けにくいケースも存在します。
次のような状況では、金融機関の審査が厳しくなり、融資が難しくなることが多いです。
慢性的な赤字
赤字が一時的なものでなく、毎年続いている場合は融資が難しくなってしまいます。
金融機関から「この会社は経営改善の見込みがないだろう…」と判断されてしまうからです。
特に、売上の減少が止まらない場合や、コスト削減の努力が見られない場合は、融資のハードルが上がります。
返済原資がない場合
融資を受ける際に最も重要なのが「返済能力」です。
たとえ赤字決算であっても、営業キャッシュフローがプラスであれば融資を受けられる可能性があります。
しかし、現金がほとんど残っておらず、返済の見込みが立たない場合は、金融機関は融資を認めにくくなります。
債務超過の状態
債務超過とは、負債が資産を上回っている状態のことを指します。
この状態になると、企業の財務状況が非常に悪化していると判断され、金融機関は融資を渋ってしまいます。
赤字決算で融資を成功させるためのポイント
赤字決算であるないに関わらず、融資を成功させるためにはしっかりとした準備が必要です。
金融機関に対して「この会社に融資しても大丈夫だ」と思わせる材料を揃えましょう。
金融機関の審査をクリアし、融資を受けるための重要なポイントとは一体どんなものがあるか見てみましょう!
資金繰り表や経営計画書を作成する
金融機関は、融資を実行する際に「この会社は本当に返済できるのか?」という点を慎重に判断します。
そのため、資金繰り表や経営計画書をしっかりと作成し、今後の見通しを明確に示すことが重要です。
金融機関に安心してもらうためにも、資金繰り表と経営計画書はしっかりと準備しておきましょう。
▽資金繰り表とは?
資金繰り表は、毎月の収入と支出を明確にし、今後の資金の流れを可視化するための資料です。これを作成することで、金融機関に対して「どのように資金を回していくのか」を具体的に説明できるようになります。
▽経営計画書とは?
経営計画書は、今後の売上や利益の見込み、事業戦略などをまとめた資料です。特に、赤字決算の場合は「どのようにして黒字化を目指すのか?」を具体的に示すことが重要です。
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具体的な改善策と将来性があることを提示する
赤字決算の企業にとって、最も大事なことは「今後どのようにして黒字化していくのか?」を明確にすることです。
- まずなぜ赤字になったのか?
- どのようにして改善するのか?
- いつまでに黒字化できるのか?
これらを融資の担当者に明確に説明できることが重要です。
もし、経費の見直しや無駄な支出を削減しようとしている場合や、商品やサービスの単価を上げたり、新規顧客の獲得施策を進めている場合は、それを伝えることによって、金融機関の信頼を得やすくなり、融資の可能性を高めることができます。
また、具体的な数値を示すことも大切です。
「来期は売上を10%増加させ、利益率を5%向上させる!」といった目標を設定し、その達成手段を説明できるようにしましょう。
担保や保証人を準備する
赤字決算の企業が融資を受ける際、担保や保証人を準備することで、審査の通過率を上げることができます。
▽担保と保証人とは?
担保とは、万が一返済ができなくなった際に金融機関に提供する資産のことです。不動産や機械設備、売掛金などを担保として提供できる場合、融資を受けやすくなります。
保証人は、借入金の返済を保証する第三者のことです。経営者自身が連帯保証人になるケースもありますが、第三者の保証人を用意できれば、さらに融資の可能性が高まります。
担保や保証人を準備することで、金融機関にとってのリスクを軽減し、融資を受けるハードルを下げることができます。
また、経営者本人が「連帯保証人」になることで融資の可能性が高まるケースもありますが、個人のリスクも伴うため慎重に判断しましょう。
さらに、赤字決算で融資を申し込む際には、いくつかの重要な注意点があります。
金融機関の審査をスムーズに通過するためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
税金や社会保険料等の滞納があれば解消する
融資を申し込む前に、税金や社会保険料、取引先への支払いが滞っていないかを確認しましょう。
金融機関は、企業の支払い状況を非常に重視します。
もし滞納があると、「この会社に融資しても返済されないのでは?」と判断され、審査が厳しくなります。
特に、税金や社会保険料の未納がある場合は、まずはそれを解消することが優先です。
自転車操業を避けるため計画的に利用する
赤字決算の状態で融資を受けると、一時的に資金繰りが改善されるものの、根本的な経営改善ができていなければ、再び資金繰りが苦しくなる可能性があります。
新しい借入金で古い借入金を返済する、いわゆる「自転車操業」の状態にならないよう、融資を受けた後の資金の使い道を明確にし、計画的に利用することが大切です。
例えば、収益を生む事業投資に使ったり、運転資金として計画的に配分したり等、具体的な計画を立て、融資を事業の成長につなげることが重要です。
必要書類を揃え、事前準備を計画的に行う
融資の申し込みには、以下のような書類が必要になることが一般的です。
- 決算書(直近2~3期分)
- 試算表(最新の財務状況を示すもの)
- 資金繰り表(今後の資金の流れを示すもの)
- 経営計画書(事業の改善策や将来の見通しを説明するもの)
- 税務申告書や納税証明書(税金の支払い状況を示すもの)
これらの書類を事前に準備し、金融機関に提出することで、審査をスムーズに進めることができます。
また、書類だけでなく、面談の際に事業の現状や改善策をしっかりと説明できるよう準備しておくことも重要です。
融資以外の選択肢には何があるの?
資金調達の方法として、上記で説明してきた融資を考える方は多いと思いますが、やはりどうしても返済が必要な物が多いです。
しかし、返済不要の資金調達方法が実はあるんです!
それぞれのメリットとデメリットを詳しくお伝えしていきます。
補助金・助成金
補助金や助成金は、国や地方自治体などが提供する資金援助の制度です。
原則として返済不要なのが大きなメリットです。
条件に合っていれば、まとまった資金を確保することができます。
しかし、申請から受給までに数カ月〜1年以上かかる場合もあるため、すぐに資金が必要な状況であれば注意が必要です。
また、条件も厳しく、使い道も制限されていることも多いため、事前にしっかり調べてから申し込みましょう。
出資
出資とは、投資家やベンチャーキャピタルなどから資金を提供してもらう方法です。
融資と違い、出資を受けた資金は返済の義務がありません。
大口の資金調達が可能な場合があり、その分経営のノウハウ等を得られる可能性もあります。
しかし、出資者が経営に関与することとなることが多く、経営権に影響が及ぶ可能性があるため、その点を慎重に考慮する必要があります。
クラウドファンディング
近年注目を集めているクラウドファンディングは、インターネット上で多くの支援者から資金を集める方法です。
インターネットを通して、企業や個人の活動や目標、夢を共有し、それに共感した人や応援したいと感じた人から資金を募る方法です。
直接市場の反応を確認できたり、企業や商品の認知度向上に繋げることができます。
しかし、成功する保証がなく、プロジェクトの準備や広報活動に時間と労力がかかり本業に影響が出たりすることもあります。
また、達成できなければ資金を得られなかったりと、調達自体が失敗するリスクもあるため注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
「赤字決算でも審査に通る金融機関はあるの?」や「ファクタリングとビジネスローンのどちらがいいのか…?」等の皆様からの赤字決算での融資に関するよくある質問にお答えします!
Q1.赤字決算でも審査に通る金融機関は?
赤字決算でも融資を受けられる可能性のある金融機関には、以下のようなところがあります。
- 日本政策金融公庫:創業融資や事業改善資金の制度があり、赤字決算でも審査の可能性あり
- 信用金庫・信用組合:地域密着型の金融機関で、経営状況を丁寧に見てくれることが多い
- ノンバンク系金融機関:銀行よりも審査基準が柔軟な場合があるが、金利が高めになる傾向
特に、日本政策金融公庫は政府系金融機関のため、赤字でも経営改善の計画がしっかりしていれば融資を受けられる可能性があります。
Q2.ファクタリングとビジネスローン、どちらが良い?
赤字決算時の資金調達方法として、ファクタリングとビジネスローンのどちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか?
下に、比較表をまとめておりますのでご参考になさってください。
比較項目 | ファクタリング | ビジネスローン |
資金調達のスピード | 早い(即日~数日) | 比較的早い(数日~1週間) |
審査の厳しさ | 売掛先の信用力次第 | 会社の財務状況による |
利用時のリスク | 売掛債権を売却するため、借金にはならない | 借入となるため、返済義務が発生する |
手数料・金利 | 高め(売掛金の10~30%) | 金利は5~15%程度 |
短期間での資金調達を重視するならファクタリング、長期的な資金繰りを考えるならビジネスローンが向いていると言えるでしょう。
Q3.補助金や助成金の申請時に注意すべき点は?
補助金や助成金は返済不要の資金調達手段として魅力的ですよね。
ただし、申請時には以下のような点に注意しましょう。
- 申請期限を守る:補助金ごとに締め切りが決まっているため、余裕をもって準備する
- 適用条件を確認する:赤字決算でも申請可能なものか、細かい条件をチェックする
- 事業計画を明確にする:資金の使い道が明確でないと審査に通りにくい
特に、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金は、赤字企業でも利用できる可能性があるので、活用を検討してみるとよいでしょう。
参考:商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金(第17回)」
ものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」
まとめ
もしあなたの事業が赤字決算だからといって、必ずしも融資を受けられないわけではありません。
一時的な赤字であったり、改善策がある場合は融資を受けられる可能性があります。
融資を申し込む場合は、資金繰り表や経営計画書準備し、金融機関に納得してもらえる説明を用意することで、融資が通る可能性が高まります。
もし、資金繰り表や経営計画書の作成に関してのお悩みや、もとい資金繰りに悩んでいる方は、まずは専門家に相談することをおすすめします。
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資金調達の方法や今の経営にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください!
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