税務調査は、納税の義務のある法人や個人であれば、誰でも対象になり得る調査です。税務調査では税務署の調査官が現地を訪問し、必要な帳簿などを詳しくチェックしながら、正しく納税をしているかどうかの調査を行います。
熊本県内でももちろん、税務調査は毎年行われており、コロナ禍では一旦少なくなった税務調査の件数も昨今では回復傾向にあります。もし、税務調査の対象となった場合にどのように対応すればよいのか不安な方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、税務調査の概要と税務調査時の対応方法についてご説明します。
熊本県内の税務調査の実施状況
まずは、税務調査の概要と熊本県内の調査実施状況についてご説明しましょう。
税務調査とは
税務調査は、税務調査官によって行われる納税についての調査です。確定申告をしているか、している場合には正しい額を申告し、正しく納税を行っているかについて詳しい調査が行われます。
一般的な税務調査は任意調査と呼ばれ、税務調査の対象となる場合には原則として、税務署から事前通知が行われます。事前通知では、税務調査を実施する日時が告げられ、当日に必要となる書類などについて伝えられます。調査日時については、業務が忙しい場合など、正当な理由があれば調査日を変更してもらうことも可能です。しかしながら、任意調査であっても税務調査自体を拒否することはできません。
税務調査の流れ
税務調査当日は、税務署の調査官がオフィスや店舗などを訪れて、実地調査が行われます。実地調査では、事業内容や売上状況などについてのヒアリングが行われ、帳簿などの書類を細かなチェックがなされます。帳簿や書類などに不備があったり、疑問点があった場合には質問がなされ、不足資料の提出が求められるケースもあります。
また、実地調査だけで税務調査が終わるわけではありません。実地調査終了後も調査は続き、調査官から疑問や指摘を受けた場合には、その都度必要な書類を準備し、指摘事項について説明や交渉をする必要があります。
調査の結果、確定申告の内容に問題がなければ、調査結果が伝えられて終了します。もし、調査の結果、申告漏れなどの問題が生じた場合には修正申告を行い、不足分の税金を納める必要があります。
熊本県の税務調査の実施状況
令和4事務年度では、熊本県内の691件の法人に対して税務調査が行われました。このうち約74%に当たる512件について、法人税の申告漏れなどが指摘されています。
申告漏れが発覚した場合、修正申告が必要です。修正申告時には正しい納税額に加えて、無申告加算税、過少申告加算税、不納付加算税、重加算税、延滞税などの納付が求められます。令和4事務年度の法人税の申告漏れ所得金額は3,8億3000万円、追徴税額は17億3,200万円に上っています。
また、令和4事務年度に熊本県内で個人を対象に実施された税務調査の件数は5,375件であり、このうち半数以上となる3,013件に申告漏れ等が発覚し、追徴課税が行われています。
参照元:
熊本国税局「令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要」
国税庁「令和4年事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(熊本県版)」
税務調査の対象となりやすい法人や個人事業主とは
税務調査は、所得のある法人や個人であれば、誰でも調査の対象となり得るものですが、創業や開業してから3年以上の企業や個人事業主は税務調査の対象に選ばれやすい傾向にあります。特に、売上が大きく増加している場合や申告漏れの多い業種として知られる事業を営んでいる場合は、調査の対象に選ばれやすいため注意が必要です。
また、同業者に比べて利益率が低い場合や赤字が続いている場合なども税務調査の対象として選ばれやすくなります。
税務調査の対応は税理士に任せるべき理由
税務調査に入ると連絡があれば、正しく申告をしている場合でも緊張してしまうケースがほとんどです。税務調査では、帳簿などの書類を細かく確認し、少しでも疑問が生じる場合いには調査官から質問がなされます。質問に対して、調査官が納得できるような回答を返せなかった場合、不正を疑われてしまうケースも少なくありません。しかし、税務調査時には税理士が立ち会うことができます。
税理士は、法人税や消費税など、税に関する専門知識を有する税金のプロです。さらに、税務調査の立ち会い実績が豊富な税理士であれば、調査官の意図することを理解したうえで納税者側の見解を伝えることができるため、スムーズに調査を終わらせることができます。
見解の違いのために不正があったと指摘されれば、追徴課税がなされる可能性もあるのです。税務調査に対する不安があるようであれば、税務調査に強い税理士に対応を依頼することをおすすめします。
まとめ
熊本県内でも、法人や個人に対する税務調査が行われています。正しく申告し、正しく納税をしていれば税務調査の通知があっても恐れる必要はありませんが、中には、帳簿の付け方が正しいのか、処理方法が誤っていないのか不安になるケースもあるのではないでしょうか。
熊本創業融資相談室は、税理士法人ストラテジーが運営しています。当事務所では税務調査の対応経験も豊富にあり、税務調査時に指摘されやすい事項などについても把握している税理士が税務調査に対応します。そのため、納税者側の主張を税法に則り、正しく調査官に伝えることが可能です。
税務調査についてのご不安がある場合には、ぜひ熊本県内での税務調査対応実績を豊富に持つ当事務所にご相談ください。
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