創業融資の金利はどれくらい?日本政策金融公庫など各融資別にご紹介

新たに事業を始めようと考えている方にとって、最初の大きなハードルとなるのが資金調達です。
特にまだ実績がない創業時には、融資を受けるためのハードルが高く感じられることもあるでしょう。

その中で、多くの方々が着目するのが「創業融資」です。

この融資制度とは、新規事業の立ち上げをサポートするための制度であり、民間銀行や公的機関が提供しています。

今回は、その創業融資の「金利」についてお話します。
金利は、事業の資金計画や利益確保に直接影響を及ぼす重要な要素となるため、融資を検討する際は必ず把握しておく必要があります。

本記事では、日本政策金融公庫をはじめとした主要な融資元が提供する創業融資の金利について、具体的な数値や特徴を踏まえて詳しく解説します。

創業融資により資金調達をご検討されている方は、ぜひご参考になさってください!


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創業融資の金利の概要

創業融資の金利は、一般的に1~3%程度の範囲内に収まることが多いです。
ただし、融資元や条件によって大きく変わるので注意が必要です。

早速、以下の主な創業融資の選択肢の金利の特徴について、順番に見ていきましょう!

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 信用保証協会付き融資
  • 自治体の制度融資

日本政策金融公庫の融資の金利

日本政策金融公庫とは、日本政府が設立した公的な金融機関です。
主に、中小企業や個人事業主、農林漁業者などの資金調達を支援する役割を担っています。

中小企業や新規事業、農業・林業・漁業の発展を支援するため、市場では十分に対応できない分野に対して低利子で融資を行うことを目的としています。

日本政策金融公庫の融資にはいくつかのメリットがあります。

  • 保証人や保証料が不要
  • 長期の返済期間が設定可能
  • 創業計画の相談にも乗ってもらえる

特に、保証料がかからないのは大きなポイントです。
他の融資では保証料が必要なケースが多いので、トータルコストを考えると日本政策金融公庫の融資は有利になることが多いです。

日本政策金融公庫の金利の特徴

日本政策金融公庫は、創業者向けの融資制度が充実しており、特に「新規開業資金」は、多くの起業家が利用する人気の制度です。
新規開業資金の金利は、基本的に1.0%前半~3.0%台半ばの範囲で設定されています。

金利の具体的な数字は、融資を受ける人の状況や条件によって異なりますが、一般的な民間の銀行融資よりも優遇されているケースが多いです。

金利を左右する要因は主に以下の理由によることが多いです。

担保や保証の有無

担保や保証人が不要な「新規開業資金」の制度は、金利の面でも利用者に優しい仕組みとなっています。
一方、担保付き融資の場合は、より低金利が適用される可能性もあります。

返済期間と元金据置期間

長期返済や元金据置期間がある融資は、短期返済よりも金利が高くなる傾向にあります。
このため、返済期間と金利のバランスをしっかりと検討することが重要です。

利用者の信用状況

融資を申請する方の信用情報や事業経験、事業計画の内容が金利に影響を与えます。
計画が現実的かつ収益性が高いと判断されれば、低金利の適用が期待できます。

日本政策金融公庫の具体的な金利の例

具体的な日本政策金融公庫の金利の例には以下のようなものがあります。
※2024年11月時点の情報のため、経済状況によって変動する可能性があります。
 最新情報は日本政策金融公庫の公式サイトで確認してください。

  • 基準利率(特別金利の要件に該当しない場合):2.30%~3.50%
  • 特別利率A(女性、35歳未満または55歳以上の男性など):1.90%~3.20%
  • 特別利率B(ベンチャーキャピタルから出資を受けている場合など):1.65%~2.95%
  • 特別利率C(デジタル田園都市国家構想関連):1.40%~2.70%
  • 有担保の場合:1.30%~3.10%

新規開業資金を利用する際、税務申告を2期終えていない場合は「創業支援貸付利率特例制度」が適用できる可能性があります。
この制度を利用すると、適用予定の金利から一律0.65%低減されるのでお得になります。
例えば、基準金利が3.00%だった場合、この特例制度を使うことで2.35%になります。
起業初期の資金繰りが厳しい時期には、この0.65%の差は大きいですよね。

こちらも返済期間や担保の有無、審査の結果によっては異なる利率が適用される可能性がありますのでご注意ください。

※参考:日本政策金融公庫/国民生活事業(主要利率一覧表)

信用保証協会付き融資の金利

次に、信用保証協会付き融資について見ていきましょう。

信用保証協会付融資とは、企業や個人事業主が金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会が借入人の保証人となる仕組みを利用した融資です。

この制度は、この制度も日本政策金融公庫と同様に、資金調達が難しい中小企業や小規模事業者を支援するために設けられています。

信用保証協会付き融資には、以下のようなメリットがあります。

  • 担保や個人保証が不要または軽減される
  • 民間金融機関との取引実績ができる
  • 融資以外の経営相談なども受けられる

特に、民間金融機関との取引実績ができるのは、将来的な資金調達の幅を広げる意味で重要です。
創業初期から民間金融機関と関係を築けるのは大きなメリットとなるでしょう。

信用保証協会付き融資の金利の特徴

信用保証協会付き融資の金利は、一般的に2%~3%台が目安となります。
ただし、具体的な金利は融資を実行する金融機関によって設定されるため、機関ごとに異なります。

金利を決定する主な要素としては、返済期間や自己資金の額、財務実績などが挙げられます。
例えば、返済期間が長いほど金利が高くなる傾向があります。

また、すでに事業を開始している場合は、財務実績によって金利が変動する可能性もあります。

金利の確認方法

信用保証協会付き融資の具体的な金利は、金融機関の公式サイトに詳細が記載されていないことが多いです。
理由は、個人の状況や金融機関の判断によって金利が変わるためです。

そのため実際の金利を知りたい場合は、直接金融機関に問い合わせるのが最も確実です。
その際に自分の事業計画や財務状況を具体的に説明できるよう準備しておくと、より正確な金利の見積もりを得られるでしょう。

信用保証料について

信用保証協会付き融資を利用する場合、金利とは別に「信用保証料」がかかります。
これは、信用保証協会が債務を保証してくれる代わりに支払う費用です。
信用保証料は一般的に、融資額の0.5%~2.2%程度です。
ただし、創業者向けの特別な制度を利用できる場合は、この料率が低くなることもあります。

信用保証料の具体的な金額は、「信用保証料簡易シミュレーション」というツールを使って概算を出すことができます。
借入金額、保証期間、信用保証料率などを入力すると、おおよその金額がわかります。
各県の信用保証協会のホームページに用意されていますので、ご自身のお住まいの県の信用保証協会のホームページをご覧ください。

自治体の制度融資の金利

最後に、自治体が提供する「制度融資」について見ていきましょう。

これは、地方自治体が地域の創業支援のために設けている融資制度です。
自治体が直接融資を行うのではなく、金融機関や信用保証協会と連携して、事業者が利用しやすい条件で資金を調達できるようにサポートしています。

自治体の制度融資には、以下のようなメリットがあります。

  • 低金利での借入が可能
  • 信用保証料の一部を自治体が助成してくれることがある
  • 地域の実情に合わせた柔軟な条件設定

特に、信用保証料の助成は大きなポイントです。
例えば、全額ではないにしても信用保証料の一部を自治体が負担してくれるケースがあり、創業時の初期費用をさらに抑えることができます。

制度融資の金利の特徴

自治体の制度融資の金利は、一般的に1%前半程度~が目安となります。
日本政策金融公庫の担保を提供する融資とは同程度の水準ですが、信用保証協会付き融資と比べると、低い金利で借入できる傾向にあります。

これは、自治体が金利の一部を負担しているためです。
地域経済の活性化を目的としているので、創業者にとって有利な条件が設定されていることが多いです。
ただし、具体的な金利は自治体によって異なります。
また、同じ自治体の制度融資でも、条件によって金利が変わることがあります。

そこで、熊本市の制度融資を例にご紹介していきます。

熊本市「創業サポート資金」

熊本市内にお住まいで、事業を営んでない個人であり、1か月以内に新たに個人事業を開始する方などに向けて、最大で2,000万円の融資を受け取ることができる制度です。

事業の運転資金や設備資金に充てることができます。

  • 3年以内の返済:年1.30%以内
  • 5年以内の返済:年1.45%以内
  • 7年以内の返済:年1.60%以内

※参考:熊本県信用保証協会/熊本市中小企業創業サポート資金融資保証制度

熊本市「経営向上小口資金」

市内に1年以上住所(法人の場合は本店登記)を有し、かつ同一事業を1年以上経営している小規模企業者で、従業員20人以下(宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)などの条件に該当すれば受けられる制度です。

  • 3年以内の返済:年1.70%以内
  • 4年以内の返済:年1.80%以内
  • 5年以内の返済:年1.90%以内

※参考:熊本県信用保証協会/熊本市中小企業経営向上小口資金

このように、返済期間や開業からの経過年数、さらには創業者の属性によっても金利が変わりますので、利用の際はしっかり調べて利用することが重要です。

制度融資の探し方

自治体の制度融資は、創業予定の地域の自治体公式サイトで探すのが一般的です。
多くの場合、「産業振興」や「中小企業支援」などのカテゴリーに情報がまとめられています。

また、地域の商工会議所や商工会に相談するのも良い方法です。
地域の事情に詳しいスタッフが、適切な制度を紹介してくれる可能性が高いです。

※参考:熊本市/中小企業融資のご案内(熊本市制度融資)
    熊本県/【熊本県】中小企業者向け融資制度

自分に合った創業融資の選び方

ここまで、主な創業融資の選択肢とその金利について見てきました。
では実際にどの融資を選べばいいのでしょうか?

選ぶ際には金利だけで判断するのではなく、以下の点を考慮しながら総合的に検討することが大切です。

総支払額の比較

金利は重要ですが、それだけでなく信用保証料なども含めた総支払額で比較することが大切です。
例えば、金利は少し高くても保証料がかからない融資の方が、トータルでは安くなるケースもあります。

融資実行までの期間

資金がすぐに必要な場合は、融資実行までの期間も重要な判断基準になります。
一般的な目安は以下の通りです。

  • 日本政策金融公庫:2週間~1ヶ月半
  • 信用保証協会付き融資:1ヶ月~2ヶ月
  • 自治体の制度融資:2ヶ月~3ヶ月

創業のタイミングや資金需要に合わせて、適切な融資を選ぶことが大切です。

融資以外のサポート

金融機関によっては、融資だけでなく経営相談や事業計画の策定支援なども行っています。
特に創業初期は様々な課題に直面するので、こうしたサポートは非常に心強いものです。

例えば、各融資元では以下のようなサポートを行っています。
融資先を決める際は、こうした付加的なサービスも考慮に入れると良いでしょう。

  • 日本政策金融公庫:創業計画の策定支援、経営相談
  • 信用保証協会付き融資:金融機関による経営相談
  • 自治体の制度融資:地域の商工会議所などによる支援

将来の資金需要

創業時だけでなく、事業が軌道に乗った後の資金調達も見据えて融資先を選ぶことも大切です。
例えば、民間金融機関との取引実績を作っておくことで、将来的により有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。

長期的な視点で、取引先の金融機関を選ぶことも検討しましょう。

創業融資を上手に活用するためのポイント

最後に、創業融資を効果的に活用するためのポイントをいくつかご紹介します。
金利の利率にも関わるポイントですので、ご参考にしていただけると幸いです。

事業計画をしっかり立てる

融資を受ける際、金融機関は必ず事業計画を確認します。
単に「お金が必要だから」ではなく、どのように事業を展開し、いつまでにどれくらいの売上を上げる予定なのかを具体的に示す必要があります。
しっかりとした事業計画は、金利の交渉にも有利に働く可能性があります。

また、計画を立てる過程で自分の事業の強みや弱みが明確になり、経営の指針にもなります。

複数の融資を組み合わせる

一つの融資だけでなく、複数の融資を組み合わせることで、より有利な条件を引き出せることがあります。

例えば、日本政策金融公庫の新規開業資金と自治体の制度融資を組み合わせることで、必要な資金を低金利で調達できる可能性があります。

そして、それぞれの融資の長所を活かすことができます。

具体的な組み合わせ例としては、 設備資金を日本政策金融公庫の新規開業資金(長期返済が可能)と運転資金として自治体の制度融資(低金利で調達可能)です。

返済計画を慎重に立てる

融資を受ける際は、返済計画も重要です。
特に創業初期は売上が安定しないことが多いので、余裕を持った返済計画を立てることが大切です。

返済計画を立てる際のポイントとしては、最初の半年~一年は返済猶予期間を設け、季節変動がある事業の場合、返済額に変動をつけることを検討すると良いでしょう。
そして、 最悪のシナリオを想定し、その場合でも返済可能な計画を立てることも重要です。

無理のない返済計画を立てることで、事業の安定性を高めることができます。

金融機関との関係構築を大切にする

融資を受けた後も、定期的に金融機関とコミュニケーションを取ることが重要です。
事業の進捗状況を報告したり、困ったことがあれば相談したりすることで、信頼関係を築くことができます。

良好な関係を築くメリットには主に以下のようなものがあります。

  • 追加融資が必要になった際にスムーズに対応してもらえる
  • 経営アドバイスなど、金融面以外のサポートも得られる可能性がある
  • 将来的により有利な条件での融資につながる

金融機関は単なる資金提供者ではなく、ビジネスパートナーとして捉えることが大切です。

融資以外の資金調達手段も検討する

創業時の資金調達は、融資だけが選択肢ではありません。

状況に応じて、以下のような方法も検討してみましょう。

  • クラウドファンディング:プロジェクトに共感してくれる人から広く資金を集める
  • エンジェル投資家:個人投資家から出資を受ける
  • 補助金・助成金:返済不要の資金を獲得する

これらの方法を融資と組み合わせることで、より柔軟な資金調達が可能になります。

まとめ

ここまで、創業融資の金利について詳しく見てきました。
創業融資の金利は、皆様の事業の未来に大きな影響を与える要素の一つです。
それだけではなく、融資を通じて得られる様々なサポートや関係性も、ビジネスの成功には欠かせません。

当所では、創業融資はもちろん、融資全般のお困り事に対して、熊本創業融資相談室を運営しながらサポートを行っております。

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