
創業融資を受ける際、多くの方が気にするのが「返済期間」なのではないでしょうか?
事業をスタートしたばかりの時期には、売上が安定せず、資金繰りに悩むことも少なくないですよね。
そのため、返済期間が適切であるかどうかは、事業の安定や成長に大きな影響を与える重要なポイントとなります。
そこで今回の記事では、日本政策金融公庫やその他の金融機関から受けられる創業融資における「返済期間」についてお伝えしていきます。
また、返済期間の一般的な目安や返済条件、さらに返済計画を立てる際のコツなどをわかりやすくお伝えします。
初めて融資を検討している方はぜひご参考になさってください!
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目次
1.創業融資の返済期間とは
創業融資の返済期間とは、借りた資金を金融機関に対して完済するまでの期間のことです。
この期間は融資を受ける際に取り決められ、事業の特性や計画、融資元の条件によって異なります。
返済期間の長さは、月々の返済額や資金繰りに大きく影響するため、事業計画の中で重要な要素の一つとなります。
特に日本政策金融公庫をはじめとした創業支援の融資では、事業が安定するまでの据置期間を設けるなど、返済負担を軽減するための仕組みが整っていたりと、返済期間を適切に設定することで、資金繰りに余裕を持たせながら事業を成長させることができます。
創業融資の返済期間の一般的な目安
創業融資の返済期間は融資の種類や事業内容によって異なり、一般的には以下の返済期間が目安となります。
日本政策金融公庫
返済期間は、設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は原則10年以内(うち据置期間5年以内)と決められています。
民間金融機関
条件や融資内容によりますが、通常は5~10年程度が目安とされています。
返済期間を長めに設定することで月々の返済負担を抑えることができますが、長ければ長いほど良いという訳ではありません。
事業の性質や予測される収益状況に応じて、売り上げを安定的に確保しつつ、適切な返済期間を設定することが重要です。
返済期間がもたらすメリットとデメリット
返済期間は以下のようなメリットとデメリットをもたらすこともありますので、事前にしっかり理解しておきましょう!
メリット
月々の返済額を抑えられる:返済期間を長く設定することで、毎月の返済額が減少し、資金繰りに余裕が生まれる
事業の安定を支援:売上が安定するまでの期間をカバーできるため、創業初期の資金不足を防ぎやすくなる
長期的な計画が立てやすい:返済が緩やかになることで、長期的な視点で事業計画を進めやすくなる
デメリット
総返済額が増える:返済期間が長くなる分、金利が多く発生し、結果として総返済額が増加する
返済期間中のリスク:事業環境の変化や景気の影響で、返済期間中に予測外のリスクが発生する可能性がある
審査条件が厳しくなる場合がある:長期返済を希望する場合、より厳密な審査が行われることがある
返済期間を決める際には、事業の収益計画や金融機関との相談を通じて、無理のない設定を行うことが大切です。
2.創業融資に関連する返済条件
創業融資を受ける際の返済条件は、融資を成功させるための重要なポイントとなります。
返済条件には、返済期間だけでなく、金利や据置期間、返済方法などが含まれます。
これらの条件を理解した上で、自分の事業に最適な選択をすることが、スムーズな返済計画の実現に繋がります。
日本政策金融公庫の返済期間
日本政策金融公庫の創業融資では、一般的に以下のような返済期間となっています。
設備資金:10~15年
事業の拡大や設備投資に使われる資金で、返済期間が長めに設定されることが多いです。前述にもありますが、設備資金の返済期間は最長20年となります。
運転資金:5~7年
日々の運転資金や短期的な資金不足を補うための融資では、返済期間が比較的短い傾向にあります。前述にもありますが、運転資金の返済期間は最長10年となります。
日本政策金融公庫では、事業の特性や申込者の状況に応じて柔軟に返済期間を調整できるため、必要に応じて相談すると良いでしょう。
据置期間の重要なポイント!
据置期間とは、融資を受けた後に元金の返済が免除される期間のことで、据置期間を活用することで、創業初期の資金繰りを安定させることができます。
この期間中は利息のみの支払いが必要です。
措置期間は6か月~2年程度が多いですが、事業計画や融資条件によってはさらに延長できる場合もあります。
例えば日本政策金融公庫の創業融資の措置期間は、設備資金・運転資金共に5年以内とされています。
措置期間を設けることにより、創業直後の資金繰りに余裕を持たせられ、売上が安定するまでの準備期間を確保できます。
しかし、据置期間が終わると元金の返済が始まるため、事前に返済額を見込んでおく必要があります。
据置期間を設定する際は、無理のない範囲で期間を検討し、融資元に相談することが大切です。
返済方法のタイプと選び方
創業融資では、返済方法も事業の状況に応じて選ぶことができます。
代表的な返済方法とその特徴を以下にご紹介します。
元利均等返済
毎月の返済額が一定になる返済方法です。
返済計画が立てやすく、資金繰りの管理がしやすい点が特徴です。
ただし、初期の段階では利息分の支払いが多くなります。
元金均等返済
元金を均等に返済し、その分利息が減少するため、返済額は徐々に少なくなります。
総返済額を抑えることができますが、初期の返済負担が大きくなる点に注意が必要です。
返済方法を選ぶ際には、事業の収益特性やキャッシュフローに合った返済方法を選ぶことが重要です。
その時には自分一人だけで考えるのではなく、金融機関等の融資元の担当者と相談しながら決めると安心できます。
しっかりした返済計画を立てた上で、無理のない選択を心掛けましょう!
3.創業融資の返済計画の立て方
創業融資を受ける際に返済計画をしっかり立てることは、事業を成功させるための重要なステップとなります。
無理のない返済計画を作成することで、資金繰りに余裕を持たせ、事業の安定と成長を目指すことができます。
そこで次に、返済計画を立てる際に役立つポイントをご紹介していきます!
返済シミュレーションの活用
返済計画を立てる際に非常に効果的なのものが、「返済シミュレーション」の活用です。
返済シミュレーションでは、毎月の返済額や総返済額、金利負担などを具体的に把握することができます。
返済シミュレーションで分かることは、月々の返済額や総返済額、利息の割合、据置期間終了後の返済スケジュールなどがあります。
現在では、日本政策金融公庫をはじめ、多くの金融機関がWEBサイト等のオンラインで利用できる返済シミュレーションツールを提供しています。
返済シミュレーションを活用して、具体的な返済計画を事前に検討しておくことをおすすめします。
収支計画と返済条件の見直し
返済計画を立てる上で、事業の収支計画と返済条件を定期的に見直すことも重要です。
事業を始めたばかりの段階では予想と異なる収益や支出が発生することが多いため、計画の修正が必要になる場合があります。
収支計画の見直しの際には、売上予測を現実的に設定することが何より重要です。
固定費や変動費などの支出項目を漏れなく計上したり、キャッシュフローを重視して計画を見直しましょう。
また、売上が当初の計画を下回った場合、返済期間や返済方法の変更が必要になることがあります。
その場合は、金融機関と相談し、条件変更が可能な場合は早めに交渉し、新たな据置期間を設けることや、金利の見直しを相談することが重要です。
返済計画は一度立てたら終わりではなく、事業の状況に応じて柔軟に見直すことが大切です。
しっかりとした収支計画と現実に即した返済条件を整えることで、事業を持続的に成長させる基盤を築くことができます。
4.返済負担を軽減する方法は?
創業融資を受ける際には、事業の運営を安定させるためにもなるべく返済負担を軽減したいですよね。
安定した資金繰りと、事業の成長のために、負担を最小限に抑える方法をおさえて、無理のない返済計画を実現することが大切になります。
そこで、早期返済や繰り上げ返済は、融資の総返済額を減らす効果が期待できる手段です。
一方で、事業資金の運用に影響を与える可能性もあるため、慎重に検討する必要があります。
※繰り上げ返済・・・元金の一部または全部を当初の予定よりも前倒しで返済すること
以下に、早期返済や繰り上げ返済のメリットや注意点についてご紹介していきます。
早期返済や繰り上げ返済のメリット
利息の削減:早めに元金を返済することで、利息の総額を減らすことができる
心理的な安心感:借入が早く完済されることで、精神的な負担が軽減される
次の融資交渉に有利:早期完済の実績が、金融機関との信頼関係を築く材料となる
早期返済や繰り上げ返済の注意点
資金繰りへの影響:早期返済により、運転資金や成長投資の余力が減る可能性がある
違約金の確認:一部の融資では、早期返済に対する違約金が設定されている場合がある
柔軟性の低下:手元資金を使い切ってしまうと、予期せぬ出費への対応が難しくなることもある
早期返済を検討する際は、利点とリスクを慎重に比較し、事業の状況に応じた判断を行いましょう。
金利の見直しと融資条件の変動
また、制度の内容によっては、融資を受けた後でも特定の条件下で金利の見直しを行い返済負担を軽減できる場合があります。
例として、日本政策金融公庫の「創業後目標達成型金利」があります。
これを利用できるのは、新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を2期終えていない方が対象です。
利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合、融資から3年経過後の利率を当所利率から0.2%引き下げることができる制度です。
これらを目標にして事業に取り組むことで、返済負担を軽減することができると同時に、事業を安定して営むことができるでしょう!
5.返済期間に関するよくある質問
創業融資の返済期間に関してのQ&Aをご紹介します。
これから融資を検討されている方はぜひ返済を進める上でお役立てください!!
Q1.創業融資は何年で返すべきですか?
A1.一般的には3~10年程度が目安となります。
創業融資の返済期間は、事業の規模や計画、金融機関の条件によって異なります。返済期間を決める際には以下の点を考慮しましょう。
事業の収益性
短期間で返済を終わらせることで利息を抑えられますが、収益が安定するまでには時間がかかる場合もあります。
資金繰り
短期間での返済を選ぶと月々の返済額が大きくなり、運転資金が圧迫される可能性があります。
返済期間の延長
余裕を持った返済期間を選ぶことで、月々の返済額を抑え、キャッシュフローの安定を図ることができます。
返済期間は無理のない計画を立て、将来の事業の成長に合わせた柔軟な返済方法を選択することが大切です。
Q2.返済ができなくなったときの対処法はありますか?
A2.返済が困難な状況に陥った場合、まずは冷静に状況を把握し、早期に金融機関と相談することが重要です。
返済が困難になった場合の対処法としては以下の方法があります。
返済計画の見直し
金融機関に相談して、返済期間の延長や据置期間の設定を検討してもらうことができます。
借り換えの検討
既存の融資を別の金融機関で借り換えることで、金利や返済条件を見直すことが可能です。
専門家のサポートを受ける
税理士や経営コンサルタントに相談することで、適切な対策を講じることができます。
最終手段としての整理
万が一、事業の継続が困難な場合には、法的手続き(民事再生や自己破産など)を検討する必要もありますが、これには慎重な判断が求められます。
事業の状況が悪化する前に早めに対処することが、最終的な負担を軽減することにつながります。
Q3.返済開始日はいつからになりますか?
A3.創業融資の返済開始日は、契約内容に基づいて決まりますが、一般的には融資の実行後、据置期間を経て返済が開始されます。
返済開始日は契約時に明確に決められ、金融機関から通知されます。
据置期間中は、創業融資の場合、1~3年の措置期間が設定されていることが多く、この期間は借入金額に対する利息だけを支払うことになります。
据置期間が終了すると、元金の返済が始まります。
据置期間の有無や期間の長さは、融資契約によって異なるため、融資申請時に確認し、計画的に返済開始日を見据えた準備を行いましょう。
6.さいごに
創業融資の返済期間や条件は、事業の運営に大きな影響を与える重要な要素です。
返済期間の設定や返済計画の見直しを適切に行うことで、事業の成長に支障をきたすことなく、安定した経営を維持できます。
無理のない返済スケジュールを立て、状況に応じた柔軟に対応することを心掛けましょう!
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皆様に寄り添ったサポートを心掛けておりますので、ご相談を心よりお待ちしております。
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